「大丈夫。」
先輩の優しい声が隣から聞こえてくる。
それと同時に右手に温もり。
先輩が私の手を握ってくれた。
ギュッと、強く先輩の手を握り返す。
ゆっくり、ゆっくりと前に進んでいく。
「こ、怖いです......」
「俺がいるから。大丈夫。」
そんな先輩の言葉は嬉しい。
嬉しいけど!
先輩が隣にいてくれても、怖いものは怖いぃ.......
少しは怖さが軽減されても、やっぱり怖い。
「ぅわぁぁぁぁ!!」
「いやぁぁぁっ!!」
いきなり目の前に、顔が血だらけの髪が長い女の人が現れた。
勢いよく叫んで、私は先輩の腕にしがみついていた。

