私は、くるりと後ろを向き、走り出そうとした。
しかし、先輩に腕を捕まれてしまった。
「はい、確保。」
私を自分の方に向ける。
ジーッと私を見つめる先輩。
「先輩って呼んだのと、敬語使ったお仕置き。」
そういうと、私に少しずつ近づいてくる先輩。
私は、ギュッとキツく目を瞑った。
唇が重なる直前。
「なんて口実だよ。」
「え!?」
そんな先輩の声が聞こえ、唇が重なった。
「蒼衣とキスしたかったからした。」
「せ、せせせ、先輩!」
「ん?」
「ここは外ですよっ!!!」
私のそんな叫び声に、先輩の笑い声が響いた。