『男の子に、ドキドキとかしない?』
『蒼衣はさ、好きな人とかいないの?』
そんな言葉に、浮かぶ顔は真祐先輩だけで。
理由も分からず真祐先輩の顔が浮かんで。
もしかしたら、真祐先輩が好きなのかもって。
そんなことすら思って。
モテモテな先輩が、私と話してくれて。
一緒に夏祭りに行って。
嬉しくて。
それなのに。
そんなのって......
「めぐみ。」
「ん?」
「恋、ってさ。男の人にドキドキすること、何だよね.......」
「うん。ドキドキして、一緒にいたい、って思ったり。
その人といると、時間が早く感じたり。
幸せに思えたり。
そういうのが恋だよ。」
ドキドキして。
一緒にいたいって思って。
時間が早く感じて。
幸せに思えて。

