【完】オオカミ先輩は溺愛中






そんなこと、言ったっけ......?




私、今の今まで、大森と話したのは助けてくれたときが初めてだと思ってたよ?






「だから鈍感て言われるんだよ。」





そ、そうなのか......





「でも、如月さんは優しいから、色んな人助けてるだろ。その中のひとりだったんだよ、俺は。」





そんなこと、ないと思うけどな.....




自分が優しい人間だなんて、思ったことないし。




それに、色んな人を助けてる記憶もない。





「だけど、俺にとってはそれが特別だったんだよ。



みんな、俺を見ては笑って。



助けてくれるやつなんて、ひとりもいなくて。」






「別に、それでもいいって思ってたけど」と、大森くんは言った。





「でも、どうしても助けられたのが嬉しくて。



如月さんがあのとき、困ってて。



俺がここで助ければ、俺を見てもらえるチャンスだと思った。」





そう、だったの.....