「俺さ、半強制的に学級委員長にされただろ?」
「う、うん.....」
学級委員長なんて面倒な役割、進んでやる人なんていなくて。
先生の、『推薦とかあるかー?』の、言葉に、
クラスの中心グループにいる、ある男子生徒が言ったんだ。
『大森がいいと思いまーす!まじめだし!』
そんな言葉に、みんな賛成した。
「面倒だったけど、断ってごたごたする方が面倒だし、受け入れたんだけどさ。」
あのとき、何も言わずに、大森くんは学級委員長になったんだ。
「でも、俺が何も言わないことをいいことに、色んなことを頼み込むだろ、家のクラスの奴ら。」
そうなんだ。
大森くんがまじめで。
地味で。

