「お願いだから受け取って!」 「いらねーって!しつこい奴は嫌われるよ~!」 「嫌われてもいいから、これくらい!」 「平気だって!俺が誘ったんだから!」 「それでも、ダメなのー!」 ずっとこの調子。 私が片手に握っている小銭を、大森くんは受け取ってくれない。 自分が食べた分くらい払わないと! 実際、大森くんの方が安かったんだし、全部払ってもらうなんてできない。 「もう、わかった!」 大森くんは立ち止まった。 やった! お金、もらってくれる! そう思っていた。