「俺のこと、直視できない?」



私はコクコクと頷いた。



できるわけがない。


先輩を見るなんて。



この状況で直視できる人の方がすごいよ。




先輩は、私の唇に触れた。



ビクッと体が反応してしまう。



「な、ん、ですか.....?」



「いや?可愛い唇だな、って。」



ゆっくりと、私の唇を人差し指でなぞる先輩。



も、もう、やめてー......


もう限界......



ドキドキして、このまま心臓が止まってしまいそう.......



「美味しかったよ?蒼衣の......ここ。」



そんなこと.......


そんな甘い声で....



囁かないで......