私がそう言うと、先輩はあからさまに明るい声で、
「そっか。」
と言った。
何でそんなに嬉しそうなのか。
よくわからないけど。
不機嫌だったのが直ったのならそれでよかった。
「気をつけてね?蒼衣ちゃん、可愛いんだから。
ちょろちょろしてたら、変な男に捕まるよ?」
「い、いやいや.....」
「まったく、危機感なさすぎ。」
ポンポンと、頭をたたきながら先輩は言った。
だって、可愛くとも何ともないし。
さっきだって、たまたま肩がぶつかってしまったのが悪かっただけで。
きっと同じようなことは二度とないと思うし。

