それから下駄箱まで、私は大森くんにお姫様だっこされたままだった。 そろそろ下駄箱。 おろしてもらえるかな、なんて思ってたときだった。 「.......蒼衣ちゃん?」 そんな声が聞こえたのは。 呼ばれた私の名前に、大森くんも反応して。 振り返ればそこには。 「真祐先輩.......」 鞄を肩に掛けた真祐先輩の姿。 大森くんは私をおろした。 「じゃ。」 そして、そのまま帰って行った。 え........ え!? 取り残された私と真祐先輩。 「どうかしたの?」 少し不機嫌そうな先輩。