【完】オオカミ先輩は溺愛中






クラスの決めごとで、前に出たときくらいしか聞いたことない声。





「てめぇ!誰に向かって口利いてんだよ。」




3年生たちは大森くんを囲った。




ど、どうしよ......



囲まれちゃったよ......





私は、おどおどするしかできなくて。





「生意気な口利いてんじゃねぇぞ。」




「調子乗りやがって!」




ひとりの3年生が手を挙げた。




な、殴られる.......っ.....!!




私は不意に目を閉じた。




───どんっ!





「うっ!」




鈍い音と苦しい声。




恐る恐る目を開けると、





そこには、倒れ込んだ手を挙げた先輩。