【完】オオカミ先輩は溺愛中






教室を出て、下駄箱までの道のりをひとりで歩いていると。





───ドンッ!





「あ、ごめんなさい......」



ボーッと、下を向いて歩いていたら人にぶつかってしまった。




ぶつかった人を見上げると、背の大きい男子生徒。




ネクタイの色から、3年生だと言うことがわかる。




チャラチャラしている見た目。




「全然へーきだよ!」



ニコッと、笑って私にそう言ってくれた。




よ、よかった......



見た目だけだと、とても怖そうな雰囲気。




怒られるかもしれないってドキドキしてたけど、許してくれた。





「ていうか、君、可愛いね。名前は?どこのクラス?」




と、顔を近づけニヤニヤとそんなことを聞いてくる。




なぜか、そんな姿が怖いと思った。




なめ回すように見つめる目。




「えと......急いでいるので......」