そんなことをやっていると、5時間目を終えるチャイムが鳴り響いた。
「さて、帰りますか!」
先輩が立ち上がり、私も立ち上がる。
もう少し、一緒にいたかったな、なんて......
そんなわがままな気持ちは胸の中にしまい込んだ。
教室への道のり。
2人で話しながら歩いた。
「じゃあ、6時間目も頑張って?」
私の教室まで送り届けてくれた先輩。
教室の前でそんな言葉をくれた。
「ありがとうございました。」
「こちらこそ。じゃあね!」
先輩は私に手を振ると、自分の教室に歩きだした。
人混みの中に消えていく先輩。
そんな先輩の背中を、ずっと見つめていた。