無視されてるのに、何度も何度も話しかけてくる人の方がいないから。
「ありがとね、蒼衣ちゃん。」
「お礼を言われるようなことは......」
「ありがとう。」
私を納得させるように、もう一度そう言った真祐先輩。
私は、もう何も言わなかった。
「でも.......」
真祐先輩の目の色が変わった。
ま、まずい.......
この目、覚えがある。
夏祭りの時と、同じ目だ。
────狼の目。
「やっぱり、俺を無視した罪は重いかな?蒼衣。」
豹変してしまった......
真祐先輩から、オオカミ先輩へと........

