【完】オオカミ先輩は溺愛中





私は、嬉しくとも何ともないんだから。



こんなにあっけなく、ファーストキスって奪われるものなんだな.....



今まで考えてもいなかったよ。



まさか、廊下でぶつかった衝撃で、話したことも顔を見たこともない人にファーストキスを奪われるなんて。



「ま!過ぎたことだし!」



「そうだけどー!」


誰か、私の心を癒してください......



その後の授業も、私は上の空だった。



授業が頭に入らない。



あの時の光景。



唇の感触。



目の前にあった先輩の顔。



そんなことが頭を支配している。


あー.....


夢だったらいいのに。



現実じゃなければいいのにー!


頬をつねってみても、痛みが走るだけ。



夢なわけないよね.......



まさかね......