札を下げた僕はほぼ同時に頭も下げた。


「鈴菜、昨日はごめん」


フルフルと首を横に振る鈴菜は笑ってはいたが、瞳には涙がたまっていた。


「それで、僕…」


「やめてくれませんか?」


鈴菜の前に手を出し、鈴菜を守るようにする蓮大。


「鈴菜をこれ以上泣かせないでください。」


「ちょ、れんちゃん!
泣いたのは…ないしょにしてって…」


「鈴菜、いつもバカそうに笑ってて、さっきだって普通に声かけてたけど、相当辛いはずなんですよ。」


「…わかってる。だから、僕の話を聞いてほしい。鈴菜、いい?」


鈴菜はこくっと小さくうつむいて頷く。