「はぁ…」


「お!?ため息?
どおした、響!

さぁ、私に話してご覧なさい!」


「…琴羽」


「ん?なになに?」


「…暑苦しい。」


「ひっど!」


「…琴羽」


「暑苦しいは受け付けんぞ。」


「わかってるよ。

あのさ、恋ってなに」


「……ん?」


「だから、恋ってなに?」


さっきよりも恋を強調してみる。


「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」



ガタガタと僕の前の席…

琴羽の席で琴羽が騒ぐ。


「…うるさい。」


「いや、だって響が恋って」


あわてて口を塞ぐ。


「んーーー!」


ただでさえクラスメートからの視線が痛いなか、僕みたいな人が恋に興味をもったなんてクラス中に知られたら…

ただ事じゃすまない。


「あのさ、静かにしよう?」


琴羽はこくこくと頷く。


「で、なんでいきなり?」


離してあげたら1秒と間をあけずに喋り出す。

どんだけ喋るの好きなんだ。


「ねぇなんでぇぇぇぇ!」


「ちょ、は、せ、こ、か!」


「はぁ?」


ふぅと一呼吸おいて一言。


「ちょっと、肩を離せ。このばか。
って言いたかったの。」


琴羽はぽんっと手のひらをたたいてる。

…めっちゃ痛かったんだぞ。


という気持ちを込めて自分なりに睨み付けた、つもりだった。


「えーなにー上目遣い?かっわいー」


だめだ、こいつと話すと疲れる…。