翌日。
「せーんぱいっ!おはようございまぁす!」
「あ、おはよう」
「昨日は、ありがとうございました。」
「あ、いえいえ。全然役に立てなかったけどね。」
「いえ、全然!」
「で、鈴奈、好きな人ってだれかな?」
「え、ひ、秘密です!」
「えー…」
「おっはーよー!諸君!今日も元気かなぁ?」
「琴羽!?」
「あ、梅宮先輩!おはようございます!」
「おー!おはよう!
元気みたいでよかった、よかった。
で、鈴奈。
私のことは、琴羽先輩と呼びなさい。」
「え、いいんですか!?」
「もっちろん!」
「あ、ありがとうございます!」
「ちょっと、琴羽、今、大事な話してたのに…。」
「え、なになに!?
もしやのもしや、響の恋ばな!?
私は17年間一緒にいてそんな話は聞いたことなかっt」
「あーもー、違うよ!」
「あれ、そなの?」
「ふふ、先輩達のやり取りって、すごい面白いです。
あの静かな部長がこんなにも女の人と騒いでるのって琴羽先輩とのときだけですよね。」
「え、そうかな?」
「そぉですよー」
「んー…そうなのか。」
「あったりまえじゃん!
なんたって琴羽は響の1番の幼馴染みだもんね!」
「はいはい、あ、前に友達いるよー?」
「あ、ほんとだ!じゃ、私は行くねー!
また部活でー」
「あ、はい!」
「はぁ…嵐みたいなやつだな。
モンスーンだよ、モンスーン。」
「先輩、それ、季節風って意味ですよ?」
「あ、そ、そうだったな。
あ、ところで、好きな人、誰?」
「う、先輩、しつこいですよ。」
「先輩に失礼だぞ~。」
「響先輩が悪いでーす。」
「はいはい、で、誰。」
「えー…竜先輩、です。」
「え、竜って、あの竜!?」
「…は、い。」
「物好きだね。」
「…失礼ですよ。」
竜とは、僕の幼馴染み。
ちなみに、琴羽とも幼馴染みだ。
桐川 竜【Kirikawa Ryuu】は長身、イケメン、運動・勉強抜群だが、
愛想の全くない吹奏楽部員。
幼馴染みの僕でさえ、笑ったのを見たのは、小学校低学年の頃まで。
という、才色兼備で冷静沈着なやつだ。
<…最後の「やつ」という言い方は才色兼備に対する妬みですか。あと、その無駄に多い四字熟語はなぜd>
はい、筆者、うるさいです。
だまりましょう。
さぁ、少しずれましたが、本編に戻りましょう。

