私はすぐさま、真紀にラインした。


          『いたよ!会っちゃったよ!あのイケメンさん!』

『えー何だっけソレ』

          『ほら、パンくわえてる時に、角でぶつかった人!』

『ああ、「海野 貝」』

          『そうそう!それそれ!』

『ほんとの名前、何だった?』

          『聞いてない』  
 
          『ってか、しゃべってない』

『しゃべってないんだ』

          『顔あげたらもういなかった』

『あんた……まさか、妄想走りすぎて、幻 見たんじゃないよね?』

          『え?ま、幻??』

『本当に実在する人なのか、怪しくなってきた』

          『だっていま現に』

『本当に「海野 貝」だった?別人じゃなく?』

          『うん……多分』

『怪しい』

          『本当だもん』