恋愛は蜜より甘く、チョコより苦い。


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5年前ーー

桜も散り、少しずつ寒さも
和らいでいた頃だった。

新学期を迎えて一落ち着きしていた。
陽菜は、仲良しの子も別のクラスに散ってしまい気落ちしている間にどんどんグループが出来上がり、1人になっていた。

…別に、一人だって大丈夫だもん。休み時間に会いに行けばいいんだ!


陽菜は待ちに待った授業終了のチャイム。
そそくさと隣のクラスへむかうと、
友達は皆、自分たちのクラスに友達を作っていた。


…そりゃそうだよね。


どこか納得のような、落胆したような。
そんな気持ちを抱えて自分の席に戻った。


…もう、なんかどうでもいいや。


「ねぇ、あなた名前は?」



上から声が降る。
とても綺麗な声。
見上げると、見惚れるくらい綺麗な子だった。


「…桜木陽菜、だよ」


緊張した。
クラスの子と話すのはほんと1、2度くらいしかなかったから。


「はるなって言うのね!私は古橋チカ、よろしく!」

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あのときの救われた気持ちをまだ覚えてる。
別に、仲良しの友達が悪いわけでもなんでもなかった。
ただ、自分の居場所をなくした気がした。
チカは、私に居場所をくれたんだ。

その日から、私はチカが一番になった。
どんどんチカに惚れていく自分に気づいた。
とても魅力的な人だから。
だからこそ、嫌われたくない。
知られちゃいけない。



私は河野を意識してるはずがない。