「大丈夫?」


声に誘われ目を開く。


まっすぐな黒髮を腰で揃えた女の子。

「あなた、熱があるみたい。」


ひんやりと冷たい手が額に触れる。

「保健室とやらに連れて行きたいのだけれども、私はここにきたばかりだからどこにあるかよくわからない。」

無表情に淡々と喋る彼女。


『大丈夫。ひとりで行ける。ありがとね。』


無理矢理おこした身体は言うことを聞かない。

手すりを掴みながらフラフラと階段を降って行く。


「私もついて行く。保健室がどこだか知りたいし。」

と言い肩を貸してくれた。