サイレンが鳴り響く。

「あれれ。これじゃあ予定より早く来ちゃうじゃん。」

壊れそうなほど音を立てて開くドアから、走る足音が入ってくる。

「もう来た。」


粉々になったガラスの中から手のひらサイズの緑の宝石を取る。


【お前は包囲されている!大人しくドゥヴァーを置け!"カゲ"】

んー。悪いねぇ。あたしはフランス語なんて知らないんだわ。


腰につけたバックから手榴弾を取り出す。


「これが手に入ったことだし、あたしもう行くね。バイバーイ」


ピンを抜き思いっきり投げる。


床に落ちた瞬間覆っても覆いきれないほどの光が辺りを包んだ。


光が収まった頃には"カゲ"はいない。

【くそ!まだあたりにいるはずだ!探せ!】

広い室内に響き渡った。