ー朝


「涼ー?朝だよー」


これが私の日課。
朝起きて涼を起こしてご飯一緒に食べて……

のはずだった。



とっとっとっとっ

階段を降りる音が聞こえてきた。
涼が起きたんだ。


「涼、おはよ」



「…………」


悲しいけれど無視されること自体にはもう慣れてしまった
自分がいる。



それでも話しかけ続けるの。
昔に戻れることを信じて。


「行ってくるね」


そう言って玄関を出た私