代わりのない命

そうだったら良かった。でも
そんな願いが叶うわけがなく、いつも通りで
違う朝がきてしまった。




「言ってきます。お母さん」


涙の跡はなんとか消えて
ごまかせるくらいになって
私はこの日の朝、涼に挨拶せずに家を出てきてしまった。





初めてだった。家で明るい性格を作れなかった。
作るものじゃないけれど。私には必要だった。




おかしいな?
昨日の涼との会話が頭の奥でリピートされている。




いつもは綺麗だと思う海さえかすんで見えた。学校きた私は誰にも挨拶をせず
自分の席に座った。


「みーやなし!おはよ!」



「あ、おはよう、狩沢君」


いつもは楽しいと思う狩沢君との会話も
なんだか今日は気分がのらない。