砂時計

二十三時が近づいても、私の瞼が閉じることはなかった。

もう、彼は私に逢いに来ない。

少し寂しい気持ちもするけれど、彼の新たな旅立ちを、よろこばなくてはならない。

いつか、私も旅立つときが来る。次に、彼に出逢ったならば、胸を張って言わなければ。

『幸せな人生やったよ』

……と。

(おしまい)