「…ごめん、橘花、答えられないよ…」


溢れてしまった言葉は行く宛もなく線香花火のようにポトリと落ちた。


「悲しいのは私のほうなのに、そんなに辛そうな顔しないでよ」

せめてもの強がりで笑って言っても和樹は笑ってくれなかった。

何も言わずに二人で堤防に腰掛けた。


夏の終わり。


“過不足なく友だち”の再開。