「また瀬野くん教科書借りに来てたの?」 振り向いて笑いながら話すのは親友の長月 芭音(ナガツキ ハノン)。 栗色のボブで、本人曰く、染めてると勘違いされるから嫌だというが、私はうらやましいと思っている。 性格がサッパリしていて付き合いやすい。 「そうだよ、本当忘れっぽいよね、あいつ」 「わざとなんじゃないの?」 「えっ」 芭音はたまにドキッとさせるようなことを言うものだから私は焦ってしまう。 もちろん冗談だろうけど。