「綺麗…」 思わず声を漏らした。 目の前は果てしない海だった。 快晴の今日は月が海面に反射していて本当に綺麗だった。 「昔よく来たんだ」 「芽莉さんたちと?」 「…あぁ、うん」 和樹は私が芽莉さんのことをあまり好いていないと勘違いしたのか少し俯いた。 「ごめん、そういう話嫌だよね」 「何言ってんの!私は芽莉さんのこと嫌いじゃないし、第一、和樹の小さい頃の話は喜んで聞くよ!」