ソルト


嬉しさと驚きと、

それでも胸中にある和樹への想いは私を無言にさせた。

「…ごめん、困らせちゃったよね」

いつもより少し悲しげな笑顔で春原くんは呟く。


「でも、せめて、好きな人の力にはなりたい。寂しい時はメールして?」

私たちは無言のままアドレスを交換した。

「家まで送るよ」

そう言って春原くんは立ち上がった。