ソルト



「そいつのどこがいいの?」

「えっ」

予想外の質問に言葉が一瞬つまる。

「答えて?」

「……優しくて、話してて楽しくて」

「僕じゃだめなの?」

「春原くん…?」

「僕は橘花のことがずっと好きなんだ。入学式の時から。そいつよりも、絶対、橘花を笑顔にさせられるよ」