私は続けて言う。
「倒れちゃったら、しかもそれが大切な人だったなら、そりゃあ今日は来れなくて仕方がないよね。だけど」
すうっと息を吸うと、吐く代わりに、言葉がどんどん溢れ出した。
「でも今日は来てほしかった。ずっと楽しみで、こんなに浮かれてる私がすごく恥ずかしい。私は好きな人の一番じゃないってことが痛いくらい分かって…それでも好きで、苦しいよ」
「…橘花」
初めて名前を呼ばれて驚いて春原くんを見ると、目がしっかり合ってしまって慌てる。
でも、今は逸らしちゃダメなんだと思ってそのまま まっすぐ見た。

