ソルト


「…別にたいしたことじゃないよ。私がネガティブなだけっていうか…」

「言って」

乾いた笑いは夏の湿気に包み込まれて飽和されていった。


「…」

「少なくともこのまま、放っておけるわけないでしょ」

「…今日はね、好きな人と初めて二人でお祭りに行くつもりだったの」

「…うん」

「だけど、その人の大切な人が倒れちゃって、お祭り来れなくなっちゃったんだって」