ソルト




(浮かれてたからバチが当たったんだな)

しばらく歩道橋の上から行き来する車を眺めていたら、そんなことを考える余裕も出来た。


深呼吸して階段を降りる。


ヒールの折れる音がした。


(あっ、落ちる)


怖くなって目を閉じる。

ドンッと何かにぶつかる音がした。


「…った…何やってんの、三好さん」


「春原くん…」


落ちた私を受け止めてくれたのは
少し怒った顔をした春原くんだった。