「急にごめん、こんな中走り出そうとしてたからそれはさすがに、って思って」

黒髪でくせっ毛で長身。

無表情だとクールに見えるけれど、

実際は猫より犬っぽい。

瀬野くんはそういう人だった。


「そっか、ありがとう。引き止めてくれて」


「いや、お節介だったらごめん、俺2組の…」


「瀬野くん、瀬野 和樹(セノ カズキ)くんだよね?」


「知ってたんだ嬉しい、俺も知ってるよ、三好 橘花(ミヨシ キッカ)ちゃんでしょ。よろしくね」

そう言ってニコッと、微笑んだ。