この時間は少し風が涼しくて気持ちいい。

病院からの帰り、和樹の後ろでしみじみそう思う。

支給された湿布が腫れてるところをひんやりと冷やしてくれるので涼しさ倍増だ。


「さっきさ、ごめん」

「え?」

何のことだか分からなくて首をかしげていると、

「春原が自転車から降ろそうとしてるとき、無理矢理、抱き上げちゃったじゃんか」


「…あぁ、私もそのほうが降りやすかったし、大丈夫だよ」

「それならいいんだけど…なんか俺よく分かんないけど春原の手どけちゃった気がしてさ」

「それなら琉惟に謝ったほうがいいって」