「あ、琴!やっと見つけた。どこ行ってたんだよ」 球技大会の試合が全部終わり、放課後になった今、私は玄関の自分のロッカーの前にうずくまって座っていた。 すると、目の前に汗をかいた若葉が現れて少々驚きつつもそっぽを向く。 「……なに」 こんな返事を若葉にするなんて、本当に可愛くない。