「食べないとだめよ」 「分かってるけど……」 「若葉くん、ごめんね」 いきなり、向井さんがスプーンを置いて謝るものだから俺は驚いて目を見開いた。 「……何が?」 「前、コトちゃんにあんな事言っちゃって」 向井さんは、申し訳なさそうに頭を下げてそう言った。