病院に帰って、自分の病室に直行した俺は、引き出しの中にしまってあった、一枚の紙を取り出した。



「……和奏」



取り出したのは、ずっと病室の引き出しの中にしまっていた、あの日和奏から貰った手紙。



「ほんと、5年生のくせにちゃんとしてんよな……」



和奏は、まだ5年生。



俺の病気のことは、一切知らない。