私は、優子さんに代わってコップに麦茶を入れてソファの前のテーブルに置いた。 「オトハちゃん、ありがとね」 「いえ、全然」 「それより、若葉。あなた、なんでここにいるの?」 優子さんは突拍子もなくそう言った。 そりゃそうだ。昨日まで普通に病院で入院していた息子が、いきなり家に帰ってくるんだから。