居心地は良かったけど、私たちがいなくなった後誰も来なかったらこの教室もきっと寂しいだろうな、なんて勝手なことを考える。
…いつか、この校舎が壊されたり工事されたりする前に、また誰かに気づいて使ってもらえたらいいね。
「───気づかれたら、明日には消されちゃうかもしれないけどさ、」
そう口を開けば、茜と南と伽耶が私へ目をやる。
「落書きしてかない?黒板に」
ここにいた跡を残しておきたい、この教室への感謝も込めて。
私のそんな言葉に、「なんか、久々に女子高生っぽい」伽耶が笑って呟く。
そんな伽耶に続いて、茜が「まぁ、いいんじゃね」呆れたように笑って言った。


