…そうかな?
そうだといいな。
何も書かれていない黒板の前に立って、チョークを手にとって、何を書くでもなく手をふらふらと動かす茜。
そんな茜をみて、わたしはまたポツリと呟いた。
「…この教室とも、今日でお別れかぁ」
「ほんと、寂しくなるね」
「ほぼ毎日いたもんなー」
南と伽耶も、黒板の方へ目をやりながら感慨深く呟く。
私たちが卒業したら、きっとまたホコリを被ってしまうんだろうな。
この教室に近づく人は、きっとほとんどいない。
だってここでサボっていて先生にバレたことも、荒らされたこともない。
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