そして、仕事も増えて忙しくなった3ヶ月前。
ミッキーは私たちより一足早く、白龍を卒業した。
バレるわけにも、いかないしね。
闇討ちされたりしたらどうしようもないし。
倉庫に顔を出す時間も少なくなってしまうからって。
嬉しいような、寂しいような。
でもやっぱり、嬉しいんだけど。
「…みんな、やっぱ、大人になったね」
ミッキーが一番前に進んだけど、茜だってもうちゃんと将来のこと決めてるの、知ってるんだよ。
足元と後ろばかりを見てた私たちは、少しずつみんな、前を見ている。
私は、やりたいことを見つけるにはもう少しかかりそうだけど。
「わたしも少しくらい、大人になれたかな」
いつも座ってる椅子をひいて、座りながらポツリと呟けば。
座っていた茜が立ち上がって、
「少し、に感じるかもしんねぇけど。わりとデカイかもしんねぇよ」
黒板の方へ歩きながらそんなことを言った。


