真実と嘘〜番外*subplot〜




今日で、私たちは白龍を卒業して。







────世代交代をする。









誰が総長になるのか、まだわからないけど。


きっと、美影ならいい人選をしてくれる。


幹部には南とか暁とか、そこらへんが入ればいいなぁ。





考えて、嬉しいのか切ないのかわからなくなって顔を変に歪める。




今日はきっと、泣いてしまう。



卒業式では涙をこらえられたけど、きっときっと、泣いてしまう。



久しぶりにミッキーに会ったら、それだけで泣いてしまいそう。






「──ミッキーさんが白龍を先に卒業して、もう3ヶ月か」




「ほんと、一瞬だったような、長かったような。ミッキーにはあの後一回会ったっきりだもんなぁ」



「俺はそのあともう一回会ってるけどな」



「なっ!?なにそれ茜!?私聞いてないんだけど!?」



「言ってねぇし?」



「はあああ!?」




私だってミッキーに会いたかったんだけど!


さぞかしかっこいいんだろうなぁ。



茜に近寄って睨んだけれど、睨み返されて私は目を泳がせた。




───ミッキーは、1年ほど前、高校3年に上がるとき。




学園ドラマの、主人公の親友役のオーディションを受けて、受かっていた。



──きっと白龍の中で、この一年で一番前に進んだのはミッキーだ。まぎれもなく、ミッキーだね。



そのドラマがあって、ミッキーは一時期“元子役”として注目を浴びた。



そのお陰、なんて言いたくはないけれどそれがきっかけでその後何個か役をもらって。


その時のミッキーは、またかって、ほんとうにほんとうに辛そうだったけれど。



それでもその、“元子役”としてもらった役をミッキーが本気でやったから。


夢があるって、こんなにカッコいいんだって、見てるこっちが泣きそうになるほど、本気でやったから。




──“元子役”だったハズのミッキーは一年経った今では、注目の“実力派俳優”だ。