「お前な、どこ行ってたんだよ」
「ごめーん、トイレ行ってた」
へへ、なんて笑いながら誤魔化せば、茜が「絶対嘘だろ」とでも言いたそうな顔をする。
わざとらしく笑い目線を泳がせて、話を逸らすネタないかなと探していると、タイミングよく、南がスマホから顔を上げて嬉しそうに私たちの方を見た。
「茜さん!日向!ミッキーさん、今日の卒業パーティーくるって!頼み込んでこれるようにしてもらったって!」
「えっ!本当!?」
「久しぶりだな、揃うの」
「よかったね、藤代。日向」
上手く話が逸れてくれた、なんて喜んだのも一瞬。
それ以上にミッキーが来てくれることが嬉しくて、話を逸らせたことなんか頭から抜けて、顔がゆるゆると緩んでいく。
久しぶりだな、本当に。
いつぶりだろう。


