私の歩く音が空に数回軽く響いてから、篠原柚姫が戸惑ったように、
「ちょ、」
と声を出した。
プライドを捨てて謝ってやったのにって言うような声色に、性格も素顔もぼんやりとしていた、私の中での『篠原柚姫』が、だんだん、かたちどられてく。
とりあえず今わかったことは、やっぱりプライドが高い。
篠原柚姫の声に足を止めて、扉の数歩手前でそんなことを考える。
心はどこまでも、穏やかだった。
…1年前までなら『許さない』、そう冷たく言っていたはずなのに。
そう言うのはなんだか気が引けてしまうなんて、甘くなったなぁ、甘くなってしまった。
一年、白龍のみんなに優しさを沢山もらってたからかな、なんて1人で苦笑いをこぼした。
「ちょ、」
と声を出した。
プライドを捨てて謝ってやったのにって言うような声色に、性格も素顔もぼんやりとしていた、私の中での『篠原柚姫』が、だんだん、かたちどられてく。
とりあえず今わかったことは、やっぱりプライドが高い。
篠原柚姫の声に足を止めて、扉の数歩手前でそんなことを考える。
心はどこまでも、穏やかだった。
…1年前までなら『許さない』、そう冷たく言っていたはずなのに。
そう言うのはなんだか気が引けてしまうなんて、甘くなったなぁ、甘くなってしまった。
一年、白龍のみんなに優しさを沢山もらってたからかな、なんて1人で苦笑いをこぼした。


