「「日向っ!」」
後ろからハモって呼ぶこえが聞こえて、くるりと振り返る。
珍しくポニーテールにした髪の毛が、頭の後ろで遅れて揺れた。
「南!伽耶!」
笑顔で手を振れば、伽耶と南が話しながら歩いてくる。
「南、ハモんないで」
「べつにハモろうとしたわけじゃねぇよ!」
1年前は、そんなに関わってなかった2人ももうすっかり仲良しで。
伽耶の“彼氏”がたまに心配してるくらいだ。
「日向、探したよ。ここにいたんだ」
「ごめんごめん、式が終わったらここで待ち合わせして空き教室行こうって、茜と約束してたんだけど…おっそいなー」
「ああ、さっきそこで囲まれてたよ。後輩女子に。ね、南」
「あぁ、うん、もう直ぐ来るんじゃねぇかな?」