埋めていた顔を上げて、茜を下から睨めば茜と目線がぶつかる。
私を見下ろしていた茜は、何か思いついたように目線を上げて、それからニヤリ、仕返しだと言うように意地悪く笑って。
綺麗な顔でまた私を見下ろして。
私の珍しくポニーテールにした髪の毛に、スッと指を通して。
「コレ、結構好きだわ」
至近距離で、そんなことを囁いた。
意地悪く、ニヤリと笑う茜。
私はどうしようもなくなって、固まる。
口を動かしてみるけど、何を言おうとしてるのか自分でもわからなくて、動かすだけになってしまう。
ただ、自分の顔がどんどん赤くなっていってるのはわかって。


