よっしゃ!茜を言い負かした!
ふふん、と勝ち誇った顔をして数秒──違う違う!と我にかえる。
「真面目な話!私前から疑問だったんだよ。ほら、よく漫画だと、付き合ったら甘い雰囲気になっちゃったりなんかしてさ、キスしちゃったりなんかしてさ、あとは、ほらデートしたり!……付き合ってると、そういうことするものなの?」
私と茜、そんな雰囲気微塵もないんですけれど。
真面目な顔で問えば、茜の顔がまた赤くなる。
「お前ほんと、それ言うのは恥ずかしくねぇのかよ…」
はぁ、なんて息を吐いて呟いた茜に、
「え?微塵も」
と答えれば、またため息を吐かれた。
そしてほんの少し考えるみたいに目を動かして、私に目線を合わせて。


