「だ、だからその、アレっていうのは!………アレ、です」
勢いよく口を開いたのはいいものの、結局、やっぱり言い出せなくて声が小さくなる。
だって、は、恥ずかしいし。柄じゃないし。
茜はほんとに分かってないのか、怪訝な顔をしてるし。察してよ!
顔が熱くて、ポンパドールにしてある前髪を今だけおろしたい。貞子になりたい。…やっぱ嘘、お化けにはなりたくない。
「…だから、その、アレっていうのはっ」
「おう?」
が、頑張れ日向!
「わた、私たちって!!!つ、付き合ってるってことでよろしいんでしょう、でしょうかっ!?」
……うん。言い切れる。私今、人生で一番噛んだ。


