そんなのを隠すみたいに、──て言っても全く隠せてなんていないんだけど──パッと顔を上げて手を大袈裟に動かして口を開く。
「い、いや、だって!両想い、みたいになったあの時以外、全然それっぽいそぶり見せてくれないんだもん!ていうか、その、回りくどいのは苦手だから、ハッキリ言わせてもらうけど!私たちって、アレなの!?アレってことでいいの!?」
「…アレってなんだアレって。回りくどいのは苦手とか前置きしておきながらアレって。アホだろ」
うううう、うるさいな!!
前置きしたのはいいけど言う直前チキったんだもん!
ていうか茜、恥ずかしさを誤魔化すためかいつもより饒舌かつ早口になってるよ!!
って、ああ、せっかく私達の間にもピンクな空間が現れたと思ったのにすぐ消滅したんですけど!?
誰のせい!?…私のせいか!
──って、だから、違くてっ!


