真実と嘘〜番外*subplot〜



「あはは、まぁ何って、全部なんだけどさ」



でもやっぱり、1番は。




「あの日、あの時──私に出会ってくれて、信じてくれて、仲良くしてくれて、話し相手になってくれて、ありがとうね」




笑顔でそう伝えれば、茜はほんの少しだけ目を見開いてから、ふ、と緩めて照れくさそうにそらした。




「…わざわざ、言わなくていいっつの」


「ふは、うん、でも言いたくなったから。あと──」




今日…いや、もう昨日だった。


昨日言おうと思って、言いそびれてしまったこと。


今なら、言えそう、むしろ、今逃したらまただいぶ空いてしまうと思うから。